第五十六回 「きき酒のはなし・プロ編」
きき酒のはなし・プロ編
「お酒はうまいし、大好きなんだが、きき酒はできないんだ」 という人がいます。そのことでなにか引け目を感じているのではありませんか。
きき酒というのは、酒のプロの人たちがやるこ とであって、お酒好きな人はやる必要はないものなのです。ただ、酒飲みの中で、「きき酒」を自慢する人がいますが、それは酒を愛することとはそう関係のないことだと思ってください。
もう一つの「評価」の方は、「このお酒はいくらで売れるか」という見分け方です。 酒をお売りする専門家に必要なきき酒技術です。私たちはこの技術を身につけないと、お客様方に、ダメな酒を高く売る失敗をしかねません。それで必死になって評価的きき酒を学ぶのです。 お客様のきき酒は、鑑定や評価ではなく、味を愛でる「賞味」だったり、それに浸る「鑑賞」、楽しく飲む「楽酔」であればいいわけです。 飲む側がやらなければならないきき酒の勉強は、ばか高いものを買わされたり、まずいものをつかまされたりすることのないように学習することです。 そのためにも常に「いい酒」にいそしみましょう。 清酒研究家 下益 瑪瑙